ケミカルピーリングとは、サリチル酸やフルーツ酸(グリコール酸、乳酸、リンゴ酸など)といった酸性の薬剤を顔に塗布し、肌表面の角質の細胞同士の結びつきをゆるめ、それによって角質が剥がれるようにするというものです。美容皮膚科ではシミやしわ、たるみ、ニキビやニキビ跡の治療にこの方法を用います。ケミカルピーリングはなぜシミ治療によいのでしょうか。薬剤によって角質を剥がれやすくすると、それによって滞っていた肌のターンオーバーが促されます。
そもそもシミというのは、肌が紫外線を浴びるとその刺激が表皮の一番下の基底層にあるメラノサイトという細胞に伝わり、そこでアミノ酸の一種であるチロシンが酵素チロシナーゼによって何度か化学変化を起こしてできたメラニン色素が肌に沈着したものです。本来ならばこのメラニン色素は肌のターンオーバーに従って徐々に肌表面へと押し出され、最終的には排出されるものですが、ターンオーバーが滞ったために排出されずにいつまでも残っているのがシミなのです。したがって、その滞ったターンオーバーをケミカルピーリングで高めてやれば、シミを治療することができるというわけです。ケミカルピーリングは2週間に1回のペースで3カ月ほど繰り返すと効果があらわれてきます。
効果が実感できた後は、月1回のペースで行うことで肌全体を改善することができ、トラブルの起きにくい肌に変えていくことができ、最終的にはホームケアで済むようになります。